海外の音楽大学に進学や留学を検討している学生にとって、どこの音楽大学・教授を選ぶかも重要ですが、どの国(都市)を選ぶかも非常に重要です。
そして、様々な理由から音楽留学の先として、特に多くの学生から選ばれているのが「音楽の都」ウィーン。
この記事では、ウィーンが音楽留学に最適とされる理由について、5つのポイントに分けて詳しく解説します。
また、ウィーン留学の準備や生活に関するアドバイスもご紹介します。
1. 音楽の歴史と文化が息づく街
ウィーンは音楽史の中心地として、数世紀にわたり多くの音楽家や作曲家に愛されてきました。
ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、マーラーといった著名な音楽家たちが活躍し、その足跡を感じられる場所が街中に点在しています。
たとえば、モーツァルトの旧居「モーツァルトハウス」、シューベルトの生家、ベートーヴェンが作曲活動を行った家などが公開されており、作曲された時代背景などを学び、演奏に活かすには最適な環境です。
また、ウィーン国立歌劇場やムジークフェライン(ウィーン楽友協会)は、現在も世界的に著名な演奏家やオーケストラが演奏を行う舞台です。
世界トップレベルの生演奏が聴ける環境で、教科書やレッスンでは得られない学びを得ることができます。
2. 世界最高水準の音楽教育
ウィーンには世界的にレベルが高い音楽大学が多く存在します。
その代表がウィーン国立音楽大学(Universität für Musik und darstellende Kunst Wien)です。
この大学は音楽、演劇、ダンスなど多岐にわたる分野で教育を提供しており、多くの著名な音楽家を輩出しています。
教授陣には国際的なコンクールで活躍した演奏家や指導者が名を連ねており、最新の音楽理論や技術を学べる環境が整っており、さらに国立であるために学費もかなり安く、これ以上ない環境です。
また、ウィーン音楽院(Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien)などの私立大学においても、同様にレベルの高いレッスンを受けることができます。
さらに、ウィーンの学校は留学生に対する受け入れ体制が整備されており、ドイツ語が話せない学生にも英語でのサポートが提供される場合があるなど、世界中から高いレベルの教育を受けるために学生が集まっています。
3. 国際的なネットワークを構築できる環境
ウィーンには、近隣のヨーロッパ諸国以外からの国からも、音楽を学ぶ学生が集まります。
異なる国や文化背景を持つ学生たちとの交流を通じて、音楽的な視野を広げると同時に、インターナショナルな環境で学ぶことができます。
特に、ウィーンで学んだ仲間たちとの人脈は、将来のキャリア形成において大きな財産となる場合があり、将来の演奏活動等には大きなプラスとなります。
また、ヨーロッパ全体での音楽活動が活発なため、ウィーンを拠点に他の国での演奏やオーディションにも参加しやすいという、物理的な利点があります。
例えば、ドイツやイタリア、チェコなど、それぞれの分野で秀でた教授のレッスンを容易に受けることができることも大きなメリットです。
4. 豊富な演奏機会と実践の場
ウィーンでは、学生であっても容易に演奏機会を得ることができます。
地元の教会や小規模ホールでのコンサート、学校主催の演奏会、さらには公共のイベントなど、演奏する舞台が多いです。
現地の人も、クラシック音楽がごく身近であるため、日本以上に積極的に演奏会に聴きに来てくれる傾向があります。
こうした演奏機会を通じて、技術向上と同時に、演奏家としての経験値を積むことが可能です。
また、多くの音楽学校では、学外のオーディションやコンクールへの参加を奨励しており、これをきっかけにプロの音楽家としてデビューするケースも少なくありません。
さらに、ウィーンではオーケストラや室内楽などのグループでの演奏活動が盛んであり、アンサンブルの演奏技術も向上させることができる環境が整っていると言えます。
5. 安全で快適な生活環境
ウィーンは「世界で最も住みやすい都市」としても知られ、治安の良さや生活の質の高さが評価されています。
地下鉄やバスなどの公共交通機関も安全に使用でき、パリやロンドンなどと違って、夜間で女性一人で歩けないということはないと思います。
また、住居費や生活費・学費(国公立であれば)はヨーロッパの他の主要都市と比べて比較的安く、学生にとっては負担が軽減されます。
特に学生向けのシェアハウスや学生寮が多く、安心して生活できる環境が整っています。
加えて、ウィーンには歴史的建造物や美しい公園が点在しており、カフェ文化もあるため、音楽大学以外の環境もかなり良く、ホームシックになりにくい都市でもあります。
ウィーン留学の準備と成功のポイント
ウィーンでの音楽留学を成功させるためには、いくつかの重要な準備が必要です。
- 学校の選定:希望する分野や教授陣の経歴を確認して、また入学の難易度も検討しながら最適な学校を選ぶことが重要です。
- 語学の準備:授業はドイツ語で行われることが多いため、基本的なドイツ語を学んでおくことをおすすめします。(現地のドイツ語学校に通学するのも良いと思います。)
- 生活面の準備:住居やビザ、健康保険などの手続きを早めに進めることが重要です。
- 演奏準備:入学試験やオーディションに備え、自分の得意なレパートリーをしっかり準備しておきます。
まとめ
このように、音楽の都と言われるだけあって、ウィーンは音楽の歴史、教育水準、演奏機会、そして生活環境の全てにおいて、音楽留学先として理想的な都市です。
さらに学費や生活費のハードルは、日本の音楽大学に進学する費用と比較すると、相当低いと言えます。
最も重要なのは、自分に合った音楽大学と教授を選ぶことで、ここのミスマッチがなければウィーンへの留学は、充実した音楽留学になると言えます。
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